0.悪夢

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受話器からコールする男を確認する。 すぐにコールの音がきえて 穏やかな声が聞こえた。 声からして50代の男だった。 「あの、人が倒れています! 怪我をしていて出血がひどいです」 声に力が無意識に入る。 「わかりました。あなたの今いる場所はわかりますか?」 あたりを見渡す。 今いる詳しい場所の位置を確認し 住所を伝えようとした時。 思わず言葉が止まってしまった。 「どうかしましたか?」 受話器から声をかけれるが 百合子には届かなかった。 「もしもし?聞こえますっ……」 百合子は電話を切る。 携帯を握ったまま目を丸くした。
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