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意識が戻った百合子を見て
男が歩み寄る。
「いつから見ていたんですか?」
「えっ?あっ!」
気を失っていたので
地べたに座り込んでいることに
いま気がついた。
恥ずかしくなり素早く立ち上がる。
「すいません、私ったら…
今救急車呼びますから」
握り締めていた携帯から
再び119を押そうとする百合子の手を
男に制止された。
「俺は大丈夫ですから」
百合子におどけて笑って見せた。
「でも……」
百合子は下に視線を向け
黙り込んでしまった。
もう何がどうなっているのか
分からなくなってしまった。
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