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「私、つくづく思ったの、なんで日本の義務教育には、恋愛論がないんだろうって。人間にとって、もっとも重要で、長きにわたり必要な部分なのに、恋愛を教えてくれる学校はないし、教科書もない。保健体育の授業では、肉体面だけ解説して終わりじゃない?だから、恋愛の仕方が分からない、愛を知らない大人が増え、愛を知らないままに結婚し、パートナーにも子供にも、愛情を注げずにいるんじゃないかなって。…だから教科書のようなものを作りたかったの。」
愛。愛か。うーん…愛を知るってなんだ?俺だって好きな子が出来て、付き合ったこと位あるぞ。
「結婚してから徐々に愛を育めばいいんじゃないの?」夢子さんが淡々と聞く。
「確かにもちろんそういう人たちもいると思う。昔の人たちは、特に女性がひたすら我慢して、結婚式で初顔合わせ、なんてのでも持続したのでしょうけど。でも現代は、女性は離婚しても生きていけるし、歯車が回りだす前に、リタイアしがちなのよ。愛を知っていれば、もっとうまく歯車を回しだすことができる。愛を教えてくれる相手は、結婚相手じゃなくてもいいの。そしていつの時代の恋でもいい。大学生の時の彼に教わった人もいれば、会社の同僚っていう場合もあるでしょう。愛を知っていれば、次の恋もできる。」
さと子さんは図を指した。
「この図のように、まず底辺が『愛の意味を知る』ってこと。存在を愛し愛される経験をつむってこと。これが第一段階。
次に『つきあう』ここでようやく、つきあうための具体的な方法とかがお目見えするわけで。もてるためのテクニックとか。
三段階目は『結婚する』結婚するために必要なことをここで考えましょう。
四段階目、ピラミッドの頂点は、『結婚を継続すること』私の知り合いに、一か月で離婚した子もいるのよ。突然旦那さんが実家に帰っちゃって、会ってもくれず、別れる理由もわからないままっていう狐につままれパターン。そんなことにならないために出来ることを考えるの章。
以上、四層。」
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