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人間は失敗をする生き物だ。
なぜなら“失敗”は私たちが進化・前進を遂げる上で切り離すことのできない絶対的なリスクだからである。本当に大切なことは、その失敗と感じる出来事と向き合い、理解し、今後に生かす術を学ぶことなのだ。
真柴想一はそんな映画のセリフを思い出していた。
(だからこの失敗も大丈夫だよね…?)
そして、想一の意識は遠のいていった。
時は数時間前に遡る。
ある少年が朝起きて、朝食を食べて、歯を磨き、学校の準備をしていた。
これだけを見ると何の変哲のない少年の様に思えてくる。
そう。一つの事を除けば只の少年である。
この少年は世を騒がせている武装中学生の一人なのである。
彼───真柴想一は東都防衛学院 中等部 二年二組に所属するれっきとした武装中学生である。
そしてここを志望した理由は「身近な非現実に触れたい」という他人が聞いたら反対しそうなちょっとした理由だった。
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