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すると、彼は、は?という顔をする。
そして、なおたちの心配そうな顔と、渋いと笑った台詞の謎が解けたらしく、あぁ、と納得したようにうなずいた。
「もしかして……ねーちゃんたち、オレが自殺すると思ってたん?」
コクコク、なおは、素直にうなずいた。美緒も隣で首を縦に振る。
男性は、軽くずっこけたフリをすると、呆れたような声を出した。
あたりは、橙色に染まり、夕日が美しい。
「なんで、そうなるん?オレが自殺?んなわけ、ないやん!そりゃな、彼女いない歴=生まれた年齢だからといって……って、何、言わすんじゃい!」
一人でぼけて、一人で突っ込む。これが、本場の乗り突っ込みだと、なおたちは、確信した。
「柊(しゅう)、それくらいに、しといたら、どうだい?そちらのladyたちが、困っていると思うんだけど?」
気障っぽい台詞を吐きながら、アイスクリーム屋のユニフォームを着た青年が歩み寄りながら、呆れた口調で、柊と呼んだ男性のもとへ行った。
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