序章

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だからこそ、その守る役目は、常識があり、きちんと他人を叱れる人。 柊はそれができていた。 「自分の気持ちに嘘ついたら、ダメだよ。なお。ルールとか道徳は、守れるときに守れればいい。だって、そうでしょう?人はそんなものに縛られるものじゃないんだから」 なおは、何度も頷き、涙を拭う。そして、スマートフォンに手を伸ばし、メールをチェックすると彼から来ていた。 「なんか初対面の女の子とアドレス、交換するのは初めてやし、こう見えて口下手(笑)だから、なに喋ったらいいか、わからんから、これだけ、言います。夜道、気ぃ付けて帰れよ」 十五分くらい前のメール。なおは、返信することにした。 「こんばんは、早速のメールありがとうございます😃 口下手には見えませんよ?(笑) あと、お気遣いありがとうございます。」 そう送り、なおはポケットにスマートフォンをしまった。 そして、また、なおと美緒は歩きだす。 帰り道。街頭しか灯りはないけれど。 二人一緒だから怖くなかった……。
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