序章

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美樹はそんななおを見て、思わず微笑ってしまう。 自分の容姿に自身が持てない彼女はいつもTシャツやジーンズ。スカートなんてもってのほか。 化粧っ気もない。 勿体ない。 美樹はいつもそう思っていたのだが。 〝まぁ、悪い虫がつくよりはいいか〟 とも思うようになった。 〝あたしが守るから、なおのことは……〟 不安げな瞳で悩むなおを誰よりも強く美樹は心配していた。 「とにかく行かないこと。なおに何かあったら私……」 お節介で心配性な友人だと思われてるだろうがそれでもいい。 なおが泣く姿を見るのは私がつらいんだ。 「ありがとう、美樹。美樹はやっぱり頼りになるよ」 ようやく笑顔を見せたなおにうなずく。 すると……。 「なお。迎えに来た」 今、なおが一番、会いたくて会いたくない人物が教室の戸口にたっていた。
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