序章

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次の授業が行われる講堂へ行くと、なおの大親友の葉桜美緒がいつもと変わらない態度でなおの隣に座った。 彼女は、黒い髪をショートにしていて、ちょっと顔がふっくらしている。 特別、可愛いというわけでもないが、可愛くないというわけでもない。 誰からでも普通に好かれる女の子だ。 「美緒~」 知らないわけではないだろう。だって、なおはさっき、メールで別れた、と報告した。返信は、ドンマイ、次の恋探せ。という至って前向きな励ましだった。 「ん?なあに?」 見かけによらずクールな美緒、なおはそんな彼女が大好きだった。 A4の大学のノートに小さい字で、さっきはありがとう、と書き込む、彼女はそれを読むと、悪戯っ子のように目を細め、ニヤッと笑うと青い筆箱から黒い色のシャープペンシルを取り出し、それで、「お礼は高いよ、駅前のケーキの食べ放題で許す」と書き込んだ。なおはそれを読んだ瞬間、図らずもプッと噴出してしまう。 「え・・・・?マジで・・・・?」 食べ放題の値段は、一時間で二〇〇〇円、それほど高くはないが安くもないであろう。 バイト、増やさなきゃ・・・・、と思いながら、何を食べようかとなおは考えていた。 講義の内容は、普段と変わらず、ふざける男子もいなかったので特筆することはない。 なので、少し時間を帰りまでに進めておこう。 彼女たちはまじめに勉強を受けたと読者の皆さんは判断してほしい。
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