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西暦22××年 TOKYO ― 高層ビルが立ち並ぶ中、ある建物から1人の男が出てきた。 黒のスーツに身を包み、淡い栗色の髪がサラサラと風に靡き、ふわりと彼の目元を隠した。 さほど高くない背丈の所為か、かなり華奢な腰付きの所為なのか、男はその成り立ちが黒いスーツでなければ、女性と見紛うほど美しい顔立ちをしている。 しかし、その瞳はまるで獲物を狙う猫のようにするどく輝いていた。 「マジかよ…」 男は呟きながら胸ポケットからタバコを出し、火を点けた。 フゥーッと煙を吹かしながらビルの前に立ち竦んでいた。 そこに1台の車が止まった。 「ブルー」
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