2人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
車の中から呼びかけた男は、一見優男風の出たちをしていた。
胸元を広く開けたシャツ。
シャツの中からは黒く日に焼けた胸が見え隠れしている。
少し外側に跳ねた濃い茶色の髪は彼のくせっ毛なのだろうか。
その髪を掻きあげながら男は夜の街を想像させるような艶かしげな眼をして笑った。
「よっ」
『ブルー』と呼ばれた男は車の中の男に一声掛け、助手席へと向かった。
カチャッ
ブルーが助手席に回ると同時に中からドアが開けられた。
ブルーはタバコを道端に捨て、足で火を消してから車に乗り込んだ。
車が勢いよく走り出す。
最初のコメントを投稿しよう！