アメとムチ

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亮がトイレに行った隙に、 あたしは異物感を取り除き、 カッターシャツをみつけて慌てて羽織った。 亮は戻ってきて、そんなあたしをみて、 「………お前… ま、いっか」 と言った。 亮は優しい目であたしをみつめ、髪を撫でる。 「食べよっか」 「うん」 ソファーに並ぶ。 ウイスキーはソーダで割った。 穏やかな時間。 穏やかな時間の亮は優しい。 優しい亮と、鬼のような亮。 どっちが本当の亮なの? 食べ終わり、 あたしがほろ酔いになると、また亮は、 あたしの上に重なってきた。 もう何回目なのかわからないほど、あたしたちは重なりあった。 多分、こっちの相性は抜群に、いい。 鬼のような亮を忘れてしまう甘い時間。 明日もこの甘美な時間を過ごせる。 あたしの思考は変わっていた。
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