2083人が本棚に入れています
本棚に追加
亮がトイレに行った隙に、
あたしは異物感を取り除き、
カッターシャツをみつけて慌てて羽織った。
亮は戻ってきて、そんなあたしをみて、
「………お前…
ま、いっか」
と言った。
亮は優しい目であたしをみつめ、髪を撫でる。
「食べよっか」
「うん」
ソファーに並ぶ。
ウイスキーはソーダで割った。
穏やかな時間。
穏やかな時間の亮は優しい。
優しい亮と、鬼のような亮。
どっちが本当の亮なの?
食べ終わり、
あたしがほろ酔いになると、また亮は、
あたしの上に重なってきた。
もう何回目なのかわからないほど、あたしたちは重なりあった。
多分、こっちの相性は抜群に、いい。
鬼のような亮を忘れてしまう甘い時間。
明日もこの甘美な時間を過ごせる。
あたしの思考は変わっていた。
最初のコメントを投稿しよう!