第一章、忘却の紋章

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「神々は人間が自分たちを殺すために紋章をあたえた」 「どうしてそのようなことを?」 「神々の考えは私程度では分かりませんが、他の生物より弱い人間が巨大な【力】を手に入れたらどうなるか――自分たちを殺すに達する力まで持てるか、それが気になったのでしょうね」 「僕は気に入らないな。人間は紋章や魔術なくても弱くない。  いずれ自分たちの力で神々を凌駕できるはずだ。  あのいきなり目覚めた魔王の一柱を倒すくらいだからな」 「あれは規格外。神々があたえた【力】でも、忘れた【武器】でもありません。  唯一、人間で神々を超えることのできるのは――」 「【紅蓮の騎士】?買いかぶりだな」 イザナは笑みを浮かべながら答える。 「それは人間の幻想。【紅蓮の騎士】ほど不安定で、中途半端な最強も珍しい」 「それ、アナタが言いますか?マスター?」 「クスッ……  言えた義理はないけどね」 イザナが言った瞬間、突如、突風が吹き上がり、アルマを囲んでいた玉が粉砕した。 そして無表情のアルマが姿を現す。
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