9193人が本棚に入れています
本棚に追加
「神々は人間が自分たちを殺すために紋章をあたえた」
「どうしてそのようなことを?」
「神々の考えは私程度では分かりませんが、他の生物より弱い人間が巨大な【力】を手に入れたらどうなるか――自分たちを殺すに達する力まで持てるか、それが気になったのでしょうね」
「僕は気に入らないな。人間は紋章や魔術なくても弱くない。
いずれ自分たちの力で神々を凌駕できるはずだ。
あのいきなり目覚めた魔王の一柱を倒すくらいだからな」
「あれは規格外。神々があたえた【力】でも、忘れた【武器】でもありません。
唯一、人間で神々を超えることのできるのは――」
「【紅蓮の騎士】?買いかぶりだな」
イザナは笑みを浮かべながら答える。
「それは人間の幻想。【紅蓮の騎士】ほど不安定で、中途半端な最強も珍しい」
「それ、アナタが言いますか?マスター?」
「クスッ……
言えた義理はないけどね」
イザナが言った瞬間、突如、突風が吹き上がり、アルマを囲んでいた玉が粉砕した。
そして無表情のアルマが姿を現す。
最初のコメントを投稿しよう!