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「僕は考えているんだよ。どうやってアルマを無傷で助けられるのかを。
その方法が見つかるまで、この場で一番強いアーシャ様に頑張ってもらおうと」
「もっともらしいことを言ってますが、本音は?」
「逃げたい」
「やっぱり!」
「ウソウソ。僕だってやる時はやるよ。ほら、【力】を使ってアルマの紋章を解析しようと――」
イザナはアルマの目を見つめ、自分の目に【力】を宿そうとするのだが――
「バカマスター!」
アーシャの叱咤する声が耳に届く前。
「う、わあっ……!?」
イザナは目をおさえて、仰向けに倒れた。
☆
目が渦ぐ。目が熱い。
激しい目眩を覚えたと思ったらイザナの視界から色が消えた。
――失明したのである。
それは一生のことではないだろうが、イザナは少し動転した。
「目に光がなくなった!?【力】を使いすぎたのか!?」
「違いますわよ、マスター」
アーシャは目から血のような涙を流すイザナの頬に触れた。
「失明の理由は目に負担をかけすぎたため……アルマ姫の紋章……マスターは……」
アーシャは口を開く。
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