第一章、忘却の紋章

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「僕は考えているんだよ。どうやってアルマを無傷で助けられるのかを。  その方法が見つかるまで、この場で一番強いアーシャ様に頑張ってもらおうと」 「もっともらしいことを言ってますが、本音は?」 「逃げたい」 「やっぱり!」 「ウソウソ。僕だってやる時はやるよ。ほら、【力】を使ってアルマの紋章を解析しようと――」 イザナはアルマの目を見つめ、自分の目に【力】を宿そうとするのだが―― 「バカマスター!」 アーシャの叱咤する声が耳に届く前。 「う、わあっ……!?」 イザナは目をおさえて、仰向けに倒れた。 ☆ 目が渦ぐ。目が熱い。 激しい目眩を覚えたと思ったらイザナの視界から色が消えた。 ――失明したのである。 それは一生のことではないだろうが、イザナは少し動転した。 「目に光がなくなった!?【力】を使いすぎたのか!?」 「違いますわよ、マスター」 アーシャは目から血のような涙を流すイザナの頬に触れた。 「失明の理由は目に負担をかけすぎたため……アルマ姫の紋章……マスターは……」 アーシャは口を開く。
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