第一章、忘却の紋章

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「イザナ。状況は!?なぜアルマから膨大な魔力が!?」 「力を使っているからですよ。瞳の中の紋章を」 「まさか【忘却の紋章】か!?」 リクト叫んだ。 忘却の紋章……幸せな記憶を媒体にし、天地を変えるほどの力を持つ紋章である。 それが紋章の王国の女王になるための証。 「あれが発現しているだと!?アルマは大丈夫なのか!?」 「大丈夫――なわけないでしょう。このままだと自我が崩壊しますよ」 「だったらどうすれば」 「答えはこうですよ」 言ったイザナの姿が消える。 一瞬で空間を渡り、アルマの後ろに出現した。 【金髪】を揺らしてアルマが振り返るよりはやく―― イザナの両手に爆発的に集まった風の渦がアルマを飲み込み、包み込む。 そして風の渦は檻に変化し、アルマを囲んだ。 「これに閉じ込めて正気になるのを待つのか?」 「いや、このまま――」 イザナはぱちん、と指を鳴らした。 ――瞬間。 「――ブレイク――」 檻の中で荒れ狂う風。 檻の中では小さな嵐が吹き、アルマを雷が襲う。 「アルマ!?」 リクトは悲鳴をあげる。
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