プロローグ

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「それが、龍たちの様子が何やらおかしいんです。それになんだか胸騒ぎもします。」 いつになく真剣な表情で口を開くと、 突然空が暗雲に覆われ暗くなった。 「龍王、これは君たち龍族の仕業かね?」 族長に厳しい表情で帝釈天は問い詰めた。 「違います。我々は恵みをもたらすために雨雲を呼び出すことはありますが、このような暗雲など呼び出しませんよ。」 龍王は族長として胸を張って主張した。 それを聞いた帝釈天はもう一度雲をみた。 その雲は雨雲などと呼べる暗い雲ではなく、 どこか禍々しい気配さえ感じる不気味な暗雲だった。 すると、暗雲から地上めがけて激しい雷と大粒の雨が落ち始めた。
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