549人が本棚に入れています
本棚に追加
「後悔するよ」
女がベッドの上で言った。
磯貝陽介は火をつけたばかりのタバコを、灰皿に押し当てていた。
そこから目をそらし女を見た。
長くウェーブした髪を掻き上げながら、彼女は陽介を見ている。
素肌を包むシーツが下がり、豊満なバストが露になった。
陽介は手を伸ばし、女の髪をすくように撫でた。
そのままそのバストとは不釣り合いな細い肩を、ベッドに押し当てた。
下になった女の表情は、やけに楽しげに見えた。
「後悔?」
陽介は彼女に問いかけた。
その手は女の胸を荒々しく掴んでいる。
「そう、後悔」
ニヤリと笑うように、女は言った。
「なんで?」
「あたしと寝たこと」
「……………」
「知ってて寝たんでしょ?」
「なにそれ」
陽介は女の言葉を受け流す。
そのまま彼女に唇を重ね、愛撫を続けた。
余裕げな笑みを浮かべていた女は、次第にその表情を変えてゆく。
熱くなる身体に、思考を停止させたようだ。
白を基調とした、若い女性にしてはやけにシンプルなその部屋に、女の喘ぐ声が響き始める。
最初のコメントを投稿しよう!