19章 最後の約束

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「後悔するよ」 女がベッドの上で言った。 磯貝陽介は火をつけたばかりのタバコを、灰皿に押し当てていた。 そこから目をそらし女を見た。 長くウェーブした髪を掻き上げながら、彼女は陽介を見ている。 素肌を包むシーツが下がり、豊満なバストが露になった。 陽介は手を伸ばし、女の髪をすくように撫でた。 そのままそのバストとは不釣り合いな細い肩を、ベッドに押し当てた。 下になった女の表情は、やけに楽しげに見えた。 「後悔?」 陽介は彼女に問いかけた。 その手は女の胸を荒々しく掴んでいる。 「そう、後悔」 ニヤリと笑うように、女は言った。 「なんで?」 「あたしと寝たこと」 「……………」 「知ってて寝たんでしょ?」 「なにそれ」 陽介は女の言葉を受け流す。 そのまま彼女に唇を重ね、愛撫を続けた。 余裕げな笑みを浮かべていた女は、次第にその表情を変えてゆく。 熱くなる身体に、思考を停止させたようだ。 白を基調とした、若い女性にしてはやけにシンプルなその部屋に、女の喘ぐ声が響き始める。
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