第2話 船賃

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とうとう財布の中身がからっぽになった。 金を貸してくれる友人も両親もいない。 預金も底を尽きて、水道、電気を止められている。 住んでいるアパートの家賃だって、もう何か月か滞納している。 いつ追い出されてもおかしくない状態だ。 そして俺は自殺を決意した。 とは言っても家には何もない。 首を吊ろうにもロープがない。 洗剤を混ぜて、有毒ガスを発生させたくても洗剤がない。 そうだ、屋上に行こう。
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