5290人が本棚に入れています
本棚に追加
帝王様の手が、俺に伸びてくる。
ジッとしていろと言われたけど、言われなくても動けない。
何をしたのか全く分からないが、自分で自分を恨む。
あまりの恐怖に目を開けていられず、ギュッと力を込めて瞑る。
〈もういいぞ〉
またも念話が送られてきて、恐る恐る目を開ける。
だけど、次に送られてきた念話に力が抜けた。
〈外で寝ていたのか?
頭に葉がついていたぞ〉
俺の頭についていたらしい葉を渡される。
自分でも『こんなに早く動けたか?』ってくらい、早く手を出せた。
「あ、ありがとうございます!」
声が裏がるのも気にしていられない。
俺の頭についた葉をとってくれるなんて、正直、帝王様は俺達みたいな隊員には目もくれないと思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!