ある日

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〈寝るのは構わないが、風邪をひくなよ?〉 そう念話が送られてきた後に俺の肩を軽く叩き、そのまま去っていく帝王様。 「は、はいっ! ありがとうございます!!」 その後ろ姿に声をかけ、深くお辞儀する。 (感激だ! あの帝王様が声をかけてくれた) でも、感動していた気持ちはすぐに恐怖にかわる。 帝王様のすぐ側に立つ守護者様から、俺に向けて殺気が放たれているからだ。 守護者様は俺達に対して偉ぶったりもしない、いい人だ。 礼儀正しく、俺達のような隊員にも目を向けてくれる。 でも今、それは成りを潜め、威圧感バリバリの殺気に満ちている。 とてもじゃないが、口を開く事すらできない。
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