また、ある日

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しばらくしてまた入り口に戻ってきた帝王。 その傍らにはあの使い魔が。 未だベッタリくっついている。 帝王は……歩きにくそうだ。 (怒ったりしないのかな?) 俺だったら“歩きにくい”って怒るな。 帝王は怒らない人なのか? いや、怒る人だったのかも? 足を止めた帝王。 念話で会話しているんだろうけど、使い魔の表情がみるみる機嫌が悪そうになっていく。 帝王は……そんな使い魔の頭を撫でた。 帝王から誰かに触れる事は滅多にない。 俺ら隊員は驚愕の顔を並べているが、帝王は気付いていないみたいだ。 相手は使い魔だけど、かなり羨ましい。 俺らは会話すら珍しい事だ。
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