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闇だけが広がる新月の夜。
"さ、あなた達の番ですよ。早く来てください。"
「くそ…お前…ムカつくんだよ!」
ブンッ
チリーン
鋭い風切り音の後に、澄んだ金属音が響く。
"そんなものですか…がっかりです。…………面倒ですね。早くくたばってください。"
ふわりとその場に浮かび上がる、真っ白な文字。その文字に戦慄する多数の気配。
「「「「ぎゃあああああぁぁぁぁぁ!!、」」」」
光る文字がゆっくりと完全に消えた一瞬後、光のない空間に嫌な叫び声が響き渡る。
チリーン
チリーン
「ひっ…か、金ならいくらでも払うから!どうか、命だけは!」
"ボクが決めたわけではありませんから。ボクは、やれと言われたことをやるだけです。"
チリーン
ブシャアアアァァァ!
チリーン
チリーン
チリーン
…
「ね、聞いた?今度の[黒猫]は貴族の心臓を抉り取ったらしいよ?ものすごい血の量なのに胸にしか傷が無かったうえ、その心臓がまだ見つかってないんだって。…黒猫って何者誰なんだろうね?」
「あはは!そんなことわかるわけないじゃん!この広い王国に何人の人がいると思う?[黒猫]を見つけるなんて至難の技だよ?」
ある月曜日の朝の出来事
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