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僕はナイト達と一緒にウサワタを見た森の奥に来た。
木々はとても大きくて不思議な感覚のする森だ。
「ゴリウサ!ゴリウッサ!出て来いよぉ!!」
僕は大声でリズムを刻みながらゴリウサを探す。
後方ではナイト達が僕を遠巻きに見てる、なんでだろう?
僕の声に反応したのか草陰から三メートルくらいの真っ黒いゴリウサが鉈を二本肩で担ぎながら出てきた。
「わーお、カッコイイねゴリウサ!なんか歴戦のゴリウサって感じ!ねぇ皆ゴリウサいたよー」
僕が皆の方に顔を向けると皆顔が引きつっていた。
「マスターゴリウサだ!!」
「ますたーごりうさ?ねぇ、ライ。マスターってどのへんがマスターなのか、説明してくんない?」
「そんなこと言ってる場合じゃねぇよ!マスターゴリウサはクエストランクA以上の魔物なんだよ。学生にどうこうできる魔物じゃないんだ。逃げるぞ!」
「ちょーっと待ったぁぁぁぁあああ!!」
僕がそう発言すると、逃げるナイト達と追うゴリウサもピタリと動きを止め、僕の方を見る。
「そこのマッチョデ、ダンディーな兎さん、僕と一対一で勝負したまえよ!ルールは何でもありでいいよね?」
「エクレア、何いってんだよ。死んじゃうって戦いなんて駄目だ。逃げるほうが優先だよ!」
ナイトの発言を華麗にスルーする僕は、スルースキルマックスだね!
『よかろう、小童如きが森の番人であるこのワシに勝てるか、試してやろう』
「しゃべったぁぁぁあ!!」
こいつ只者じゃないな、普通に話しやがった。鳴き声とかじゃない、声帯的に無理だろうに、よく話たなぁ。
マスターゴリウサを口を半開きにして見つめる四人は観客的立ち位置かな?
ククク……、僕と勝負する行為がどれだけ無謀か教えてやろうじゃないか!!
ムッシュをも泣いてやめてくれと悲願した僕の戦術を味わうがいい。
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