第一話 『魔王様』

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仕方ないなムッシュは、主人として起きるまで待ってあげようか。 僕は窓際にある椅子に座り、指を鳴らすと紅茶とクッキーが置かれ、外を眺めながらよるのティータイムを始めた。 「ハッ、俺は何をしていたんだ……」 ようやく、起きた。 「うーんとね、僕の部屋で全裸で白目剥いて、涎と鼻水と糞尿垂れ流してたんだよ」 「いやいや、そんなはずありません。下半身に血が付いてるだけですよ?魔王様の声が聞こえたら、身体に衝撃が突き抜けたんですよ!何をしたんですか!!」 「まぁ、説明するなら侵入者は殺しちゃえ☆と思っただけだよ!なんで糞尿垂れのムッシュ君は、僕の部屋に居たのかな?」 僕が笑顔で答えると、ムッシュは青筋を浮かべながら仁王立ちで腕を組みため息をはく。 ムッシュは裸なのによく気にしないよね、まぁ僕だから気にしないのかな? 「エクレアふざけないで下さい。俺が此処に来たのはエクレアが、困ってると思ったからですよ!?全く俺が心配しているのに、何で、いつもいつも……」 「はいはい、説教は必要ないよ。全くいつも煩いたら!僕は別に困ってないよ。きちんと考えてるから、さっさと出ていきなよ、糞尿垂れ!」 「そうですか?じゃあ行きますけど、言葉遣い直しなさい。女の子がそのような言葉遣いははしたない」 ムッシュは独り言をいいながら、部屋を出て行ったけど、裸なの忘れてない? まぁ、いっか。 僕はクローゼットや必要な物全て異次元に入れ、寝る準備をしてキングサイズのベッドに身体を預けた。 「明日からでいいよね、もう三時だし眠いや……」 欠伸をして瞼を閉じると意識が遠退いていく中、女性とムッシュの叫び声が聞こえたけど、気のせいだね。
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