第二話 『旅の準備』

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僕はいつも真っ黒で統一する、上下に靴、ローブで着替えは完成! 「あー、それでは黒ミサみたいですよ。さぁ、着替えてください」 いつもはしたないとか言うのにローブを掴み取り、僕の服を脱がしにかかったところで僕は魔術を行使した。 重力を操る魔術でムッシュだけが地面に叩きつけられ、耳と口から血が流れ絨毯を汚した。 「僕はこれがいいの、分かってるでしょ?魔王は男しかなれないんだからさ!女じゃ駄目なんだよ」 僕が性別を偽っているのはムッシュ以外の魔族だ。代々魔王は男が継ぐことになっているのだけど、母さんは僕を産んだときに死んじゃって 、継ぐのは僕だけだから、偽ることになったんだよ。 僕が偽る原因は、僕の叔父さんにあるんだよね。 僕が女であること、死ぬことがあれば死んでしまった父さんの弟である叔父さんが魔王になっちゃうんだ、母さんも僕を産んで死んでるからさ。 叔父さんは最低最悪で、自分勝手だから自分の意見が通らないと気が済まない。 反対した者の身分が下なら首斬ちゃうんだ、だから叔父さんが魔王になったら殺戮だよね。 「とにかく、僕はこのまま行くんだからね!」 僕はローブを着直し、足早に自室から逃亡した。 ムッシュは気絶だからすぐに起きて、全力で僕を探し出すんだもん、何処からでも沸くし嫌になっちゃうよ。 廊下を走っていると曲がり角で人とぶつかり、僕は勢いよくぶつかったせいで、弾かれるように倒れた。
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