姥捨山にようこそ

4/6

34人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
こんなふうに、時間を殺しながら生きていた私にも、 夢中なものがあった。 「小悪魔ageha」。 洗練された水商売の女たちは、私からしてみれば憧れの存在だった。 たかが水商売、されど水商売。 水商売にもランクがある。 ウチの母親は最下層の水商売女なんだと、agehaを読んで思った。 ブスでババアの風俗女。ビールっ腹が醜い、下卑た女。 agehaで微笑みながら写真を撮られている女に、そんなヤツはいなかった。 バカそうだけど、ゴージャスで綺麗な女たち。 私は思ったんだ。 私は数学や英語ができないから、フツーに生きてっても大した収入は得られない。 バカでも美しけりゃ許される世界があるんなら、 そっちにいくのが良策だって。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加