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「いいじゃん。ケチケチすんなよ、減るもんじゃあるまいし」
「いや、減ると思う。俺の心の何かが」
そしてお前の心の何かも減ると思う。
「つまんねぇの~」
「つまんなくて結構」
冷たくあしらうとストローをくわえていつものカフェラテを飲む。
「見たかったなあ~、可愛いより綺麗系っていうその……男・子・高生」
「ぐっ!!!!」
危うくカフェラテが鼻から噴射しかける。
「ゴホゴホッ!おま……おまっ……なっなななななななっ……な……ゴホッ!」
「落ち着けよ」
この状況で落ち着いていられるかドアホ!!!!
「こないだ泥酔したときに言ってたの聞いたから」
「え!?」
「知里ー好きだー……のあとに、お前が男でも俺はいいー、って言ってたから」
「!!!!」
き、消えたい……マジで消えたいんですけど。てか、タイムマシンであの日に戻って泥酔してる俺をフルボッコにしたいんですけど!
「同性同士じゃ色々大変そうだしと思って聞かなかったことにしてたけど、両想いになったんだからもう遠慮なくズバズバ聞いていいよな!」
「いやいや、つーか待て!」
「なんだよ」
「お前……俺のこと……引いたりしないわけ?」
「引く?」
「今までノンケだったのに突然男が好きとか……言ったら……さ」
「え、もしかして今まで俺に紹介しなかったのって、引かれると思ってたから?」
「うん……」
気まずそうにする俺を見て陽翔は「フッ」と鼻で笑うとタバコを灰皿でもみ消した。
「とんだ大馬鹿やろーだなお前」
大馬鹿やろー……だと?
ピキ、と額に青筋が入る。
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