第三章 凍る。

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「ヴァンパイアの国が?!」 先程まで静かだった図書室に、 リディンの声が響く。 「えぇ……そうなの。 あの少女が、追ってきた人は 黒いマントを羽織った人だって言ってたわ。」 黒いマントはヴァンパイアの象徴とされている。 前に、 ヴァンパイアの国が、 アイストニアを侵略しに来たことがあった。 その時は、 私が危険な目にあったのを、 リディンに助けてもらったのだ。 「レニア…貴女は、どうするの?」 「勿論、戦うわ。」 そう言うレニアに、 リディンは、落ち着きを払って、 「貴女……何を言っているか分かっているの? 貴女の心は……」 「分かってるわ!! 分かってるわよ……… …私の心は…… ……氷なんだもの…。」
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