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「まん…げつ…?」
まさかその名前が出てくるとは思わなかった。
それに今こいつは、私がこの世で一番嫌いな奴の名前をはき、私を怒らせた。
もう知るか。
十六夜でも何でもくればいい。
「やはり貴様はここで葬る!!」
「そっ…
なら結界を張ってあげる
誰もここに来れないように…」
私の能力の一つである言霊は、そんなに長い時間は使えない。
だから先程の刀はもう既に消えてしまっているのだ。
使った後、そんな直ぐには能力を使えない。
まぁこんな小太刀でもこいつは殺せるか。
帯から出した小太刀を鞘から抜き、その手をだらりと下げた。
これが失力の構え…。
私が初めて自分で考えた構えだ。
「それ…
失力の構えってやつだよね
確かあの子が最初に覚えた構えだったね…」
「あの子…」
そんな馬鹿な事はない…。
これは私が考えた構えだ。
力を自ら失わせ、もぬけの殻となった自分が前に倒れた瞬間に全ての力を戻し、速さと力を最大限に引き上げ、強い斬激を繰り出す…。
私以外が知っているはずがない…。
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