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それにあの子とは?
こいつは一体誰のことを言っているんだ。
「君って時が歪んでるのかな?
その構えを考えたのは、500年前ぐらいの人物だよ…」
時が…歪んでる…?
やはりこいつの言っていることは理解できない。
500年前?
まさかあいつらか?
「戯れ言をほざくな影雅…
死ぬ前の戯れなどいらない…」
「あっはは…
そっかそっか
君が死ぬ前に少し遊んであげようと思ったのになぁ…」
「…!
やはりお前も嫌いだ!
月光の奴らも全員!」
私は前に倒れこみ、完全に倒れる寸前で全ての力を戻した。
そして素早く影雅の懐にはいり、小太刀を上に振り上げた。
力も速さも、今は影雅よりか私の方が上…。
避けられるはずがない。
しかもこいつは…。
ズバッ!!
私が振った小太刀は、そのまま影雅の体を通り抜けた。
確かに切った感触がある。
「は…ははは…
やった…!やりました祢々渕様!
私は影雅を…!!」
だがその時だった…。
ズサッ……。
虚しく響いた私の声を消すかのように、自分のお腹に痛みがはしった。
痛みは鋭く、呼吸をするたびに激痛がはしる。
「なん…で…」
荒い息をしながらも、私は後ろを振り向いた。
そこには、今私が目の前で、自分の手で殺したはずの影雅がいた。
影雅の手には、私の腹に刺さっている刀の柄が握られている。
「誰しも怒りが面に出て、混乱すれば、目の前の状況を冷静に判断できなくなる
冷静な君なら、僕の幻術ぐらい見破れたんじゃない?」
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