其の参 神妙なる眼界物語

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祢々渕の言葉に、久保は首を少し傾げる。 それはそうだ。 あれだけじゃ何がなんだかわからない。 彩香には裏がある。 ただそれだけ…。 「そんな事はさておきじゃ 闍刹が十六夜はまだ力が戻っていないと言うておった どうゆう意味かを探ってこい… 今お前にできるのはそれだけじゃ」 祢々渕は先程の骨を久保に渡し、少し早足で闇へと消えていった。久保は渡された骨を見て、ふと何かに気が付く。 (……誰のだろ…) その骨は腕の骨だったらしく、一本しかなかったはずの骨は、だんだん誰かの腕へと変化していった。 とても綺麗な右腕で、肩らへんに花と書いてある。 久保はこの腕がこれから必要になるから、祢々渕は自分に渡したのだと判断し、その腕を持ちながら、その地を離れた。 場所は変わり十六夜達がいる神社。 そこでは、みなみが三日月と一緒に何かを話している姿が見えた。 「月光って言うのはね? 雪雅桜乱桃源郷帝国って所から選ばれた者が所属出来る組織なんだよ まぁ何処にあるの?とか聞かれると、月としか言う事がないんだけどね」 賽銭箱の後ろにある4段程の階段に腰を掛けながら、三日月がみなみに組織の事を教えてあげていた。 みなみはと言うと、三日月の話しを必死に理解しようと頑張っている。 「月にある国って… かぐや姫みたいなやつですか?」 「よくわからないけど、多分そうなんじゃない? かぐやって子は見たことないけど」 三日月は階段を一番上まであがると、その場に寝っ転がった。 そんな事より、みなみには1つ2つ気になる事が。 「三日月さんって、寝間着でいることが多いんですか? 前袴履いてましたけど、あれが普段着みたいなやつなんですか?」 「だって着替えるの面倒くさいじゃない あれはなんかあったから着てみただけだけど、袴が長すぎて、戦ってる時とか直ぐ死にそうだからもう着ないよ」 みなみは三日月達が着ている服が、自分のいた時代と違う事に、少し興味を持っていた。 着物とかは全然着たことがないため、一度着たいと、内心思っていたり。 「本当はちゃんと、月光の組織に入っていたら着ていなきゃいけない衣服があるんだけどね… なんかかたっくるしいって言うか…」 そう言いながら三日月はみなみの方をちらっと見た。 理由は凄まじい視線を感じたからだ。 みなみを見てみると、案の定、とても瞳を輝かせていた。 「………着ないよ?」 「見せてください!」
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