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どれくらい歩いただろう。
気が付けば、裏山への入口である赤い鳥居にたどり着いた。
暗くて薄気味悪い場所だから、町の人達は誰一人ここへは来ようとしなかった。
入口である赤い鳥居は、通常のよりかは小さい。
人が1人やっと通れるサイズ。
そんな鳥居がいくつも続いている。
少女は唾を呑むと、右足からゆっくりと山に足を踏み入れた。
(自分で命を絶つより、お腹を空かせた妖怪の空腹を満たして死んだ方が遣り遂げた感があっていい……)
一段一段と階段を上がっていく少女の体は震えていた。
口は小刻みにカクカクと震え、頬には汗が。
本当は怖くて足が竦んでいるはずの足は、無意識に前へ前へと進んで行く。
まるでもう引き返す事は許されないと思わせるかのように。
「はぁ……はぁ……」
だんだんと息が荒くなる少女の顔は蒼白かった。
少女の目には、死への恐怖と去る悲しみが浮かんでいた。
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