フォル:全ての始まり

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「この間みたいに喧嘩だけはしないでよー」 注意してきたのは、保健委員長のタクミ。 怪我したとき、タクミはとても怖い。普段からは想像できない。 私とショウはそこで大人しくなる。 「本当に、お前らときたら…」 ため息と共に呆れ顔で言ったのは、私達の保護者的存在のヒデキ。 あだ名はヒデ。最近、胃薬をよく飲んでいる。 私、リオは四人を見渡した。 ユミは赤ん坊のころから、ショウは小学校のころから、タクミとヒデは中学校からの付き合いだ。 妙に気が合った私達は、放課後五人で他愛もない話をしている。 最近は、修学旅行についての話題しかない。 「お土産何買おうかなー」 「ユミ!おそろいで何か買おうね!」 「あ、それいいねー」 それを聞いて、タクミが寂しそうに笑う。
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