蜘蛛の糸

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*** 時間を潰している間にいつの間にか雨が降っていたようだ。 ふと外を見ると子供が小雨の降る中、泣きながら立ちつくしている。 親とはぐれたんだろうか。 誰も子供に声をかける人は居ない。 痛々しい情景に心が苦しくなる。 俺は飲みかけのコーヒーを一気に飲み干し、コーヒースタンドを後にした。 「……ねえ?」 突然、声をかけられ驚いたように身をすくませ、俺を見上げる子供。 その目にには怯えと、救済を願う気持ちがないまぜになっているようで、それが俺の心を一層痛める。
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