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「お母さんは? もしかしてはぐれちゃったの?」
「……うん」
出来る限りの優しい声を出して子供に警戒感を与えないように気を配る。
それが功を奏したのか、子供は素直に頷いた。
「お兄さんと一緒に探そうか」
「良いの?」
「勿論。お兄さんは暇なことにかけては右に並ぶものは居ないからね。……もう大丈夫だよ」
「……ふふ」
おどけたような俺の口調に安心したのか、子供が漸く笑顔を見せる。
その様子にほっとして、俺は子供の頭をそっと撫でる。
「あ。そうだ、名前訊いてなかったね。キミの名前は?」
「僕は――」
「すばる!!」
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