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うちの学校は、校則に厳しい。
女子は化粧はもちろん禁止。スカート丈は膝下までときっちりと決まっている。
男子はカッターシャツの裾をズボンにいれること。それから、これは女子も共通だけど、髪を染めたりピアスをあけないこと。
…校則に縛られて、息が詰まる。
普段は真面目で通しているけど、私は一つだけ校則を破っていた。
そう、私は休日にこっそりとバイトをしている。
これは、違反にあたる行為。
見つかれば、停学…ぐらいはされる。
「んーーっ!今日も頑張ったー」
屈伸しながら、いつもの通り道である公園へ歩いて行く。
バイトの帰り道に、この公園で少し休憩してから帰るのが、この頃日課になっている。
噴水が見えるベンチに腰をおろし、ぼーっと噴水を眺める。
(そうか…。もうすぐ夏かー)
噴水の水に手を伸ばして水をかけあう子供たちを見て、私は額に手をあてながら、空を見上げた。
(おぉっ…眩しい。日差しが強いなぁ)
再び噴水の方へ視線を戻すと、ふらふらと今にも倒れそうに歩く男性の姿が目にはいった。
(あれはー…)
遠くてはっきりとは見えなかったけど、なんとなく気になった私は、その人の後を追っていた。
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