イジワル

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教室から職員室までの距離は、そう遠くはない。 私はノートを抱えて、階段を下っていた。 「重っ…さすがに40人分のノートは重いよ先生」 脱力したように、はぁ、と息を吐く。 (学習委員である以上、こういう仕事は断れないのは仕方がないけど…。 それにしても、足元が重い。 職員室って、こんなに遠かったっけ?) 職員室のある階に到着し、私は廊下を歩いていた。 (あともう少し!) ようやく職員室の前にたどり着くと、私は肩で息を吐いて、よし!と気合いを入れてドアの取っ手に手をかける。 その途端、ドアが自動的に開き、私は職員室から出てくる人とぶつかりそうになった。 「!!」 「国枝さん?」 「へっ?あ…柴咲(しばさき)くん」 ぶつかりそうになった相手は、同じクラスの男子の柴咲くんだった。 短髪の似合うシャープな輪郭に整った顔立ち、スラッとした身長の彼は、クラスで結構目立つ存在だ。 野球部のくせに色白で華奢な体つきで、誰にでも愛嬌のある彼は、爽やか系男子だとか女子が騒いでいる。(近くで見たのは初めてかも…)
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