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「でも、あえてアドバイスをするなら彼氏を作れってことくらいかな」
「……今なんて?」
「だから、カ・レ・シ」
至近距離に詰め寄ってはっきり区切って言い聞かせる朋美に私はたじろいだ。
香水の濃厚で大人な匂いが鼻孔から侵入してきて心臓はドキドキするし、頭がクラクラする。変な意味ではなく単純に綺麗だったり可愛い女の子が好きな私からしたら、朋美は理想の可愛くて綺麗な女性だ。
でも、今はそんなことはどうでもいい。問題なのは朋美の発言の方だ。
「なんで彼氏……? ていうか、それがこの話とどう関係してるわけ?」
「仕方ないわねー。いい? 環でも分かるように説明してあげるからしっかり聞いてるのよ」
だから何で朋美は偉そうにしてるのよ。もちろんしっかり聞くつもりだけれど。
「あんたが気をつかうのって大抵男でしょ? で、そのせいで女子が気分そこねて話がこじれる。これが今日の飲み会みたいなお馴染みのパターンなわけ。ここまでいい?」
「うん。朋美ってよく見てるんだね。すごいなぁ」
嫌味抜きで何の気なしに褒めると、朋美は一瞬沈黙してしまった。
どうしたんだろう。また怒らせてしまったのかと心配になる。
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