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そして、盛り上がる男子がいる一方で、男子に相手にすらされていない女の子たちの表情が面白くなさそうに白けるのが目に入ってしまい私はすぐに俯いた。
申し訳ない気持ちで一杯になって、できることなら泣き出してしまいたかった。
──私のせいじゃないのに……でも、お高くとまった感じでこんなの誰だって嫌だよね……。
私は周りに見えないように服の裾をギュッと握る。その時だった。
「はいは~い。がっつくな男共。大学生になったからっていってたるみすぎ」
よく通った声が耳に届く。ハッとなって顔を上げると、その場にいた全員が声のした方を同じく驚いた表情で見ていた。
その先に立っていたのは女の子だった。巻き髪にうちの大学の学生では考えられないくらい派手で煌びやかなメイク、露出の多い服装がとにかく目を引く。間違いなく美人の部類に入る容姿だけれど、その表情はとにかく怖い。
彼女に私との会話を邪魔されたせいか、隣に座る彼は明らかに不機嫌になる。
「何だよ朋美。邪魔すんなのよ」
しかし、腕を組んで仁王立ちしている彼女も一歩も引かない。挑戦的な態度で言葉を返す。
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