9

55/55
前へ
/603ページ
次へ
「それでも…私は…」 そこで一旦止まった私は 真っ直ぐ主任を見つめ、その視線に主任は驚きの表情を浮かべていた。 「やるべきことをしてから…進退を考えます。」 真っ直ぐ言い切ったら、 主任は飲みかけのコーヒーを口から吹き出しそうな勢いで 笑いだし、 「お前…時々発言が…潔いっていうのか…なんというか、 笑えるんだけど…」 人の真剣な物言いに笑えるとは失礼だと思いながら 少し上目づかいで主任を睨むと、 「 俺は…お前を守る。全力で…」 冗談を言っている表情とは違って、 真剣みを帯びたその物言いに、 身震いした。 その主任の言葉に、それは…部下だから? それとも…うぬぼれていいですか?って質問… 投げかける事は出来なかった。
/603ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5695人が本棚に入れています
本棚に追加