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「それじゃ…どうしてあの時間帯に… 男性社員しか配置していない部屋のフロアをうろついていたんだね?」 小牧主任は唾でも飛ぶんじゃないかってほどの声で話している。 良かった。机が遠くて…って、今そんなこと考えている場合じゃなかった。 「 僕たちが行った日程は保養所のアルバイトの人数が足りず、 かと言って他の日にずらすことも出来なかったため、 宴会の片づけを幹事で…と言うことになっていました。 実際片づけに参加したのは数人でしたが、そこに湯沢も…参加して 最後まで仕事をしてくれました。その後…休憩を取り、 風呂に入った後で…外の飲み屋から戻った田所さんに声を掛けられたと言って、 部屋から飲み物を持ってきた湯沢と遭遇したので同行しました。 ですので…田所さんに頼まれた事を完了させるためあのフロアにいたということになります。」 またしても冷静な森下主任の声に、 「キミに聞いてるんじゃなくて、その子に聞いてるんだよ。」 あの…小牧課長…頭の血管切れそうです。 それに…そんなに叫ばなくても…聞こえます。
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