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悪い予感だけは当たるもので…
足音が聞こえ振り向くと、
工場内で被る帽子を着用している小牧課長の顔が見える。
主任の姿はどこにもなく、
ギュッと握り込んだ手のひらには
べったりと汗が…
気持ち悪い。
「こんな小娘にやられるとは思わなかったよ。」
そう呟きながらじりじりと距離を詰めてくる小牧課長と
間を開けようと後ろに少しずつ後退する。
「 森下とあんたには、復讐してやんなきゃ気が収まらないんだよ。」
一定の距離で立ち止まった小牧課長。
どうしたんだろうと思ったら、
私の背中はもう壁につきそうなほどにまで追い込まれていたと
気付く。
「……」
何も言い返す言葉が見つからない。
『復讐』って言ってるけど、
悪い事をしたのは自分で、当然の報いのはず…
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