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「行ったわよ! ジーク!」
「任せろ!」
一閃。
ツンツン頭の赤い髪、赤いロングコートの青年は振り向きざまに後ろから来た狼型の魔物を一閃した。
剣についた血を振り払って腰にある鞘に収めて一息つく。
「これであらかた全滅だな」
つり目がちな目を向けた先には先ほど彼に声をかけた少女。
「ふぅ。早く戻りましょ。暑くて倒れそう。ジークは暑くないの?」
「暑いに決まってんじゃん。コートだし」
二人は森の中にいる。
そして木々の間から日の光が射し込んでいる。
「セイリアこそそんな薄着でもし魔物に襲われたらどうするんだよ?」
セイリアと呼ばれた外ハネしたセミロング金髪少女の恰好は白いワンピースというとてもラフな恰好で片手に団扇という何とも戦闘する気ゼロな恰好である。
「まぁ私は近距離で戦わないからいいっしょ。それにしても暑いわー」
セイリアからは本当にやる気が見られない。
そんな彼女を見つつ苦笑するジークだった。
ジークは今年で二十歳になった。
二年前にSランクもクリアしているのでジークが未だに剣帝である。
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