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とある小さな公園
遊具は少なく
人が来る事は滅多にない
そこに少女がいた
冬の夜空に、
薄手のワンピースはまるで似合わない
たった一人でベンチに座っていた
ずっと独りだった
──青年が来るまでは
『お前も独りか』
青年は少女に声をかけた
『………』
傷ついた少女は震えていた
寒さの所為だろうか
それとも深い傷の所為だろうか
『俺の所に来るか?』
差し出された手に
優しい声に
柔らかいその笑顔に
少女は無意識の内に助けを求めた
(…暖かい)
掌で溶けた雪が
まるで自分のようだった
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