01

3/35
前へ
/190ページ
次へ
* 「なにいってる? 頭大丈夫?」 「本当なんだって! 楓(かえで)くんはね、わたしの王子さまなんだから」 わたしは訝しげな顔の親友にむかい、大胆に言い切って、それからくふふと笑った。 一週間、熱が出て休んでいたわたしは、今日が久々の登校だった。 休み時間の教室。 さわやかな初夏の風が、窓からはいってわたしたちの髪を揺らした。 クラスメートたちはそれぞれ騒がしく、次の授業まで過ごしている。 わたしとユカは、机に向き合って座っていた。
/190ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加