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仕事が終わって携帯を見ると
加奈からメールが来ていた。
「いつもの店で待ってまぁす。」
いつもの店か。
オレと加奈がよく行くのは駅の近くにあるバー。
オレが着いた頃には
加奈はすでに1杯目のビールを飲み終えていた。
「お疲れ。」
声をかければ
ニッコリ笑って振り返る。
「椎名さぁん。待ってたよぉ」
加奈を見て、可愛いとは思う。
でもそれだけだ。
好きって気持ちとは違う気がする。
「もー。ホントあの課長ムカつくぅ…」
加奈の愚痴を聞きながら、何杯目かのグラスをお互いに空にして店を出る。
「ね。寄ってこ。」
加奈はオレの腕を引いて、バーの隣のホテルに入る。
こんなオレ、ホントどうしようもない――――
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