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コンビニに寄って、ミネラルウォーターを買う。
この時間は安売りしているスーパーは閉まっている。
暇つぶしに軽く雑誌の表紙を眺めたが、手に取るには至らず、そこで窓の向こうのヌッとした人影に川崎はハッとした。
「‥‥‥、」
お前なぁ‥、心底嫌そうな顔をして川崎はレジへ足を向ける。
その間も刺さるような視線を背中に受けていた。
「こんばんは~、」
多分モテるであろう男はそれはそれは30後半の色香をムンムンに放出していて、浮かべた優しそうな笑顔がますますそれに磨きをかけていた。
川崎はまるでそこに何もないかのように駐車場を横切る。視線をこれっぽっちも男に合わせることはない。
「あっれ~‥こんばんは~、聞こえないのかな?」
ニコニコと隣に並び顔を覗き込んできた男に、川崎は隠さずもせず、コンビニの中で見つけた時と同じように嫌悪の顔で睨みつけた。
「無視してんだよ、わかれよ」
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