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「…痛」
しりもちをついた時に左手をすってしまって、手を広げて見ると血が滲んでいた。
「ごめん、強く引っ張りすぎた。
な、みゆ?少し話があるだけだから」
「…っつ、だからやだってば!」
あたしはしりもちをついた体勢のまま、少し大きな声を出してしまった。
信号待ちをしている人達がジロジロと見ている。
そんなの、関係ない。
見たきゃ見ればいい。
帰りたい、早く。
それだけだった。
浩太はあたしの正面に周り、腕を引っ張った。
「みゆ?みんな見てるよ?
引っ張ったのは悪かった。
一端店に行こう、な?」
絶対行かない、行きたくない。
あたしは立ち上がらなかった。
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