終結(続)

6/71
前へ
/126ページ
次へ
「…痛」 しりもちをついた時に左手をすってしまって、手を広げて見ると血が滲んでいた。 「ごめん、強く引っ張りすぎた。 な、みゆ?少し話があるだけだから」 「…っつ、だからやだってば!」 あたしはしりもちをついた体勢のまま、少し大きな声を出してしまった。 信号待ちをしている人達がジロジロと見ている。 そんなの、関係ない。 見たきゃ見ればいい。 帰りたい、早く。 それだけだった。 浩太はあたしの正面に周り、腕を引っ張った。 「みゆ?みんな見てるよ? 引っ張ったのは悪かった。 一端店に行こう、な?」 絶対行かない、行きたくない。 あたしは立ち上がらなかった。
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5118人が本棚に入れています
本棚に追加