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「みゆ、ほら」
浩太は全く立ち上がろうとしないあたしの両脇に腕を入れて、無理矢理立たされた。
「血出てるし。店に絆創膏あるから」
あたしの左手を持ち、優しい言い方、優しい言葉ばかりをかける。
「…いらない、こんなの大したことない。
あたし帰りたいの。今すぐ」
あたしは頑なに拒んだ。
信号が青に変わり、あたしは浩太を無視して渡ろうとする。
その時だった。
「わかんねー女だな」
そんな言葉が聞こえて、今度はバッグを掴まれバッグをとられてしまった。
「…っ、浩太!」
あたしは振り返り、バッグを引っ張る。
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