1.新月

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 ふられた。人生初の告白で見事にふられた。温かい。目から溢れ出てくるこの液体は何だろう。頭の中が真っ白でよくわからない。もう何もかもどうでもいい。    突然携帯が鳴った。携帯を開くと一通のメールが届いていた。先輩の天上院 美鈴(てんじょういん みすず)さんからだ。何だろう。   『明日香とのこと聞いたよ。今、いつもの居酒屋にいるからおいで。』 いつもの居酒屋か・・・。俺と美鈴さんと、明日香先輩でよく行ったところか。またあの液体が頬を伝う。足が重い。立つ気力さえ残っていない気がした。   「お月様もこんな俺を見放すのかい。」 雲一つない空に月は見えない。  とりあえず美鈴さんのところに行こう。そう思ったのはメールが届いた、三十分後のことだった。
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