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「・・・。三十分も待たされて、迎えに行こうと思って外に出たら星弥君がいて、やっと来たかと思ったら帰ろうとするなんて、ひどいよ。」
まったく美鈴さんの言うとおりだ。心配して誘ってくれた先輩を待たせた挙句、連絡の一ついれず帰ろうとするなんて最低だ。
「だからふられるんだよ。」
不意にそんなことが口から漏れてしまった。
「まぁ、明日香とのことで色々辛いだろうから今回だけは許したげる。」
まただ。気付いてる。でもそれを明かす勇気が俺にはない。
「すいません。」
「謝らないの。」
美鈴さんは子供を叱るように俺に注意した。
「さ、お店に入ろう。お腹すいたでしょ?」
美鈴さんに明日香先輩にふられた詳細を話した。美鈴さんは優しく接してくれた。割れものを扱うかのようにそっと。また甘えているのだと自覚しながらも。自分が最低な人間であると理解しつつも、利用してしまった。
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